薬剤師がキャリアチェンジとして一般企業へ転職をする場合、面接で何を聞かれるのか?
転職理由や志望動機、自己PRなどは当然答えを準備しておくとして、他にはどんなことを聞かれるのだろう?
気になるけど、一般企業への転職した友人もいないし、情報がほしい!という方に向けて私が転職の際、聞かれたいわゆる定番以外の質問をまとめました。
薬剤師を辞めるのはなぜ?未練はない?
複数の企業から聞かれた質問が「薬剤師に未練はないの?」「せっかく薬剤師になったのにいいの?」といった質問です。
薬剤師は小学生の将来なりたい職業ランキングでも必ず挙がる人気職種ですし、ある程度高収入、安定が手に入る職種ですよね。また、ブラック企業のような-のイメージも少なく、薬剤師から転職する、ということ自体に「なぜ?」と思う採用担当者は多いようです。
また、再就職も他の職種よりは比較的しやすいイメージもあり、「すぐに辞めて薬剤師に戻ってしまうのではないか?」という心配から、よく聞かれる質問なのだと思われます。
転職理由で薬剤師を辞める理由を話していても「本当に未練はないの?」と念をおしてくる担当さんもいらっしゃいました。
新しいポジションで長く働いてくれるだろう、と安心させられるよう、転職理由や志望動機と合わせて具体的な理由を準備しておきたいところです。
それはここでも同じかもしれないけど大丈夫?(なぜ薬剤師を辞めるのかに関する深堀り)
例えば、私の場合「薬剤師としての仕事の大半は来た処方箋ありきの仕事で物足りなさを感じている」「今の仕事に自分の介在理由を感じない」という理由を伝えていました。
それに対し、応募しているポジションに就けば介在価値を感じられるだろうと思う理由はなにか?どんなことにやりがいを感じるか、そして応募のポジションではやりがいが感じられそうか?という質問を頂きました。
そもそもなぜ薬剤師になったの?
なぜ薬剤師を辞めるのか?に対し、具体的な答えを準備し、納得してもらった後「ならばなぜそもそも薬剤師になったのか?」という質問もされました。
また、薬剤師になるうえでなぜ現職の会社に入社したのか?という現職に入社した際の志望動機も聞かれることがありました。
私の回答としては、幼少期に小児喘息を患っていたこともあり、薬剤師に子供のころからあこがれていたという素直なきっかけを話しました。そのうえで、自分が幼少期に憧れていた薬剤師増にはかなり近づけたと思うので薬剤師に未練はない、ということを付け加えて伝えるようにしていました。
医療にこだわるのには理由がある?
私は転職活動の際、薬剤師におすすめのキャリアチェンジという記事に書いたような薬剤師のバックグラウンドを活かせる分野の企業・ポジションに絞って応募をしていました。
自分としては、薬剤師から医療に関連する企業へ転職することは自然な流れのように思っていました。ですが「全く別の業界ではなく医療業界で転職先を探しているのには特別な理由があるのですか?」と聞かれ、「医療業界で転職先を探すことは当たり前のことではないんだ」と気が付きました。
応募する企業によって回答は変わってくると思いますが、その企業に入ってどのような形で医療に貢献できるかということも踏まえ、医療に対する自分の想いを伝えるようにすると良いでしょう。
私の場合は、薬剤師を目指した理由として幼少期の疾患について話していたので、日本の医療体制への感謝の気持ちがあり、医療に貢献するために働きたいといったような内容で話しました。
特異な疾患領域はありますか?
専門知識を必要とする職の場合、このような質問で採用担当者が「今までどのようなことを学んできたのか?」を推し量ろうとする場合があります。
病棟を担当している病院薬剤師の場合は準備せずとも得意な疾患領域があるかもしれませんが、調剤薬局やドラッグストアの薬剤師の場合は少しマニアックに語れる分野があると良いかもしれません。
オンコロジー領域が得意です、なんて言えたらかなりかっこいいと思いますが、私の場合は抗がん剤はあまり得意ではなく…。背伸びする必要はないので、自分がたくさん勉強したと思う疾患領域をこたえるのが良いでしょう。
私の場合は呼吸器疾患ですと答えていました。
「吸入指導に関する加算が追加されたこともあり、呼吸器疾患の治療には薬剤師の期待されている役割が大きいと考え勉強に力を入れました」といった得意な理由も併せて伝えられるようにしておくと説得力が増します。
薬剤師では○○のような経験はありますか?
転職先の会社での主な業務に対し、適正があるかどうかを見極めるための質問です。
例えば薬事関連の業務が主な求人では「現職では行政と関わるような仕事をした経験はありますか?」だったり、ライターの求人では「現職でライティングをした経験や、チラシやポスターなど何かを作り上げた経験はありますか?」といった具合です。
聞かれた内容の業務をしたことがある場合には、そのまま話せばOKですし、そのような経験がなかった場合にはその業務に一番近しいと思われる経験を挙げて共通点を話すなどして業務への適性をアピールするようにしましょう。
「ありません。」のみの回答ではあまりにもったいないので、「ありませんが、現職での○○の経験はそれに通ずるものがあるのではないかと思っています」といった流れで話すと良いでしょう。
例えば先に挙げた「現職では行政と関わるような仕事をした経験はありますか?」の質問に対して。
「配属されていた薬局が開店間もない店舗だったため、管理薬剤師として新規個別指導を任されました。」と、ぴったりな経験がある場合はそれについて話すのが良いでしょう。
もちろん、経験があるだけでなく、「自分はこのような仕事に向いていると感じた、なぜなら~」と自分が今回応募しているポジションに向いていることをアピールしましょう。
経験がなければ、「いえ、現職でそのような経験はありませんが、毎月のレセプト請求業務がそれに通ずるところがあるのではないかと思います。」など一番近しい業務について話すのが吉です。
「現職でライティングをした経験や、何かを作り上げた経験はありますか?」についても考えてみましょう。
「新規店舗での調剤部門立ち上げにあたり、レジで配ってもらうためのチラシを作成しました。」というのはぴったりな経験にあたると思います。
ですが、そのようなぴったりな経験があるのは稀です。
「いえ、現職でそのような経験はありません。しかし、学生時代に学会発表に向けポスター作製にとりくんだ経験があり、何かを作り上げる作業が好きだと感じています」
など、現職でそのような経験がなければ学生時代の経験について話すという方法もあります。
ぴったりな経験がないと思っても、少しずらしたところに似たような経験がないか、面接の限られた時間の中で絞り出すようにしましょう。
すべての質問に事前に対策する事は難しい
定番の質問に対しては流暢にこたえられるのに、想定していなかった質問ではことばに詰まってしまうというのは当たり前のことです。
定番の質問やある程度の予想される質問に対策することは必要なことですが、すべての質問を想定し、回答を準備しておくというのは無理な話です。
最終的に大事なのは想定していない質問が来たときに、自分がその時出せるすべてを絞り出して自分なりの返事をすること。
何も思いつかないから、とあきらめて「わかりません」で会話を終わらせるのだけは良くありません。
面接は対話です。そのことを意識して、質問の意図はどのようなことか?その質問に答えられないなら、質問者の意図に沿って自分がこたえられる内容は何か?と考え一生懸命にこたえましょう。
「わかりません」というのは「わからないので話したくありません。考えたくありません。別の質問をしてください。」と言うようなもので、失礼ともとらえられかねません。
しどろもどろでかっこ悪くても自分が出せるベストの答えを返すことで、志望度の高さをくみ取ってもらえる可能性もあります。
読者の皆様に、よい結果が出るよう願っています。
他にも転職活動に関して以下のような記事を書いておりますので、是非のぞいてみて下さい。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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