薬剤師の企業転職:志望動機を書くためのヒント【質問5つ・例文あり】

転職活動

薬剤師から一般企業へ転職活動をするにあたり、志望動機に悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

この記事では以下の6つの質問をもとに、志望動機を書くにあたって種になりそうなエッセンスを考えていきます。

  • なぜ薬剤師ではないところに転職するのか?
  • その業界の中でなぜその職(ポジション)に就きたいのか?
  • その職の中でなぜその企業なのか?
  • 自分にとって「医療」とは?
  • 自分のスキルで活かせそうなものはあるか?
  • 薬剤師としてのどのような経験が次の職に親和性が高いか?

薬剤師からのキャリアチェンジに特化した内容になっているので、この記事を読むことでより具体的に書く内容が思い浮かぶと思います。自己分析の足掛かりにして下さい。

また各質問ごとに例文もあります。是非参考にして下さい。

なぜ薬剤師ではないところに転職するのか?

転職理由とつながりのある志望動機にできると強いです。ですので、なぜ薬剤師をやめるのか?をしっかりと自分で言語化できるととても良いです。

また薬剤師は他の職業に比べ再就職がしやすい傾向にあります。そのため企業も、「志望度が低いとすぐに辞めてしまうのでは?」と心配なところ。

なぜ薬剤師を辞めるのかが明確で、次の職で就くポジションへの志望度が高いことが示せるようにしておくのが良いでしょう。

例文

志望:営業職等

薬剤師の仕事はどうしても大部分が来た処方箋ありきの仕事になってしまうところがあります。そういった部分で物足りなさを感じていました。また、薬局は基本的には調剤報酬点数表に記載された通りの守られた中でのビジネス、なおかつ医療機関ではまだ利益を追い求めるのが良くないとする風潮があるように思います。そういった部分でも物足りなさを感じており、新しい分野へのチャレンジがしたいと思い、応募をさせて頂きました。

志望:薬歴システム等ヘルステック関連企業

私が新卒で転職活動をしていた時はまだ薬歴の管理を紙でおこなっている薬局があったりと、医療業界のIT化は他の業界よりも遅れていると感じておりました。それがここ数年で、オンライン服薬指導や電子処方箋など目覚ましい勢いでIT化が進んできたように感じ、IT業界に身を置きたいと考えるようになりました。薬剤師としての今までの経験を活かしつつ、薬剤師では身に付けられないITスキルを習得し、御社での業務を通じて医療業界に貢献したいと考えております。

その業界の中でなぜその職(ポジション)に就きたいのか?

ひとつ前の「なぜ薬剤師ではダメなの?」を真剣に考えた方なら、薬剤師ではなくこのポジションを選ぶ理由がすでに思い浮かんでいるかもしれません。

薬剤師を辞めた理由は、次のポジションにつけば解消されそうであればそれだけで立派な志望動機になります。

次のポジションでやりがいを感じられそうですか?それはどんなところですか?

あるいは、「なんか楽しそう」でもOK。それが楽しそうだと思う理由はなんでしょう?似たようなことがらで楽しいと感じたことがありますか?「なんか楽しそう」からさらに深堀していき、志望動機に繋げましょう。

例文

志望:メディカルコピーライター

チームで目標達成に向けて努力する仕事がしたいと思い転職活動を始めた私にとってコピーライターの仕事はまさに希望を叶えてくれる職種だと感じております。大学の研究室では、配属当初より文献紹介セミナーの資料や学会発表用ポスターの作成に楽しさを感じておりました。私は他研究施設と共同研究を行っていたため、特に卒業論文及び卒業発表のためのポスター作製は協力者と話を合わせながらの制作となり一層やりがいを感じました。

志望:医療コンサルタント

私は管理薬剤師として薬局の新規立ち上げに携わった経験から、数字を追うことの楽しさを学びました。開局当初、処方箋枚数が伸び悩んだのですが、私はその原因を新患率の少なさ、コロナによる受診控えが原因と考えチラシの作成やOTC接客時の声掛けなどを通じて集患に力を入れました。その結果、1年で薬局を黒字化させることに成功しました。以上のような経験を活かし、様々な経営課題を解決するコンサルタントとして御社でキャリアを築きたいと考えております。

その職の中でなぜその企業なのか?

転職活動では複数社受けていることが前提で話が進んでいきます。すべての企業で「第一志望です」という必要はありません。

応募書類は企業宛てのラブレターではなく、自分が企業にとって採用するべき人間であることをアピールするためのプレゼン資料です。

ただ本当に第一志望の会社には、第一志望であることを伝えるに越したことはありません。

「内定を出したら承諾してくれるか?」「長く務めてもらえそうか?」は採用担当の気になるところですので、いくつか受けている企業の中でそこの企業の志望度が高いのはなぜか?は考えておくと良いでしょう。

またこの質問に対して考えることは内定をもらった場合の優先度を決めることにも役立ちます。

例文

志望:医療出版の編集

私は人に教える事が好きで、医療従事者の教育に関わる仕事がしたいと思い、応募いたしました。現職では認定実務実習薬剤師を取得し、薬学生の教育に携わっています。御社の発行している「書籍名」は実習の際に私が学生におすすめしている一冊です。入社後は実務実習指導をしていた経験も活かし、「書籍名」のような、実習生や医療従事者1年目の方にもわかりやすい専門書の発行に携わりたいと考えています。

自分にとって「医療」とは?

薬剤師から異業種に転職を考えている方の場合、医療コンサルやメディカルコピーライター、原薬の専門商社など医療に関わる職種で転職先を考えている方が多いのではないでしょうか。

自分にとっては医療周辺で職を探すことが当たり前、自然の流れのように思えるかもしれませんが、医療のバックグラウンドのない方も多く務めている分野では、なぜ医療に携わっていたいのか?が十分な志望動機となる場合もあります。

自分のスキルで活かせそうなものはあるか?

自分のスキルですぐに次のポジションでも活かせそうなものがある場合には、自分のスキルが活かせるからというのも良い志望動機になるでしょう。

自己PRとつながりを持たせることもでき、面接時にも一貫性のある話が出来るため印象に残りやすくなりそうです。

中途採用の場合は新卒採用よりも早く戦力となることが求められるため、熱意や企業への特別な思い入れよりもスキルが評価される傾向にあります。

戦力となれそうな資格がある場合はそれを盛り込んで書いてみましょう。

例文

メディカルコピーライター

貴社では薬剤師としての経験、薬の専門性、そして英語のスキルを活かすことが可能と考え応募いたしました 。現職で患者様にご自身の飲んでいる薬や治療について興味を持って頂くために、シンプルな言葉選びを常に意識し、服薬指導を行なってまいりました。英語については1年間留学をしていた経験があり、自信があります。大学の研究室では留学生もいたため、英語が飛び交う環境で研究をしていたこともあり英語で研究内容を議論することも得意です。

薬剤師としてのどのような経験が次の職に親和性が高いか?

薬剤師としての適性がなく薬剤師を辞める場合でも、薬剤師としての勤務経験は協力な武器になります。

薬の知識が必要な職種は多くあります。また薬剤師として服薬指導業務で身に付けたコミュニケーション力、特にヒアリングや共感力は多くの接客業で役立つことでしょう。またミスが許されない調剤に従事していたことは薬事や事務など細かい作業が必要とされる職でも強みになるかもしれません。

在宅医療の経験があれば、その経験から他業種と連携したチームプレイができる、それが自分のしたいことだと思ったなど協調性を証明するエピソードとして話せます。

病院薬剤師で専門薬剤師の資格を取っている方なら、勉強が好きであることを活かしたいと志望動機に繋げられます。

自分が応募する職種で求められるのはどんな能力か、そして薬剤師として働いていたことがその能力があることへの裏付けにならないか考えてみましょう。

志望:DI職

私は病院薬剤師としての経験から、自分の専門分野についてとことん勉強することが自身の強みであると感じております。また、勉強を続けられることが自身のやりがいにも繋がっています。貴社では、このような私の強みを活かすことが出来ると考え応募を致しました。現職ではがん薬物治療専門薬剤師を取得しており、オンコロジー領域に強みのある御社でDI業務に携わりたいと考えております。

志望:転職エージェント

数字を追いかける仕事がしてみたいという気持ちと、服薬指導で患者様と話すことが好きで接客も続けたいという気持ちを両方叶える事ができる仕事だと思い、貴社に応募を致しました。数字を追いかける仕事がしてみたいという点で、インセンティブのある貴社での働き方に強い魅力を感じております。また、求職者へ対応する際には患者様への服薬指導で培ったヒアリング能力や共感力などを活かすことが出来ると感じております。

提出する志望動機・志望動機書の書き方

どの質問も書類通過後の面接対策のためにも考えておきたい内容ですが、履歴書に書く志望動機は200~300文字程度が適切と言われているため一番自分のアピールに繋がりそうなものを1つ選んで記載するようにすると良いでしょう。

転職活動をしていると「志望動機書」の提出を求められる場合もあります。字数の制限がなければ、A4の紙1枚程度の文章量がほしいところです。「御社を志望する理由は3つあります。1つ目は~」というような形で複数書く形式がおすすめです。志望理由を複数書く際には、1つ目をその業界を志望する理由、2つ目をその職種を志望する理由、3つ目を活かせそうなスキルにする等、違う角度(この記事の違う質問)から志望理由を選ぶようにすると説得力のある志望動機書になるかと思います。

実際に転職活動をしているとどうしても思い浮かばない、自分の書いた内容を誰かに見てほしい!ということもあるかと思います。大枠として言いたいことは決まっているけど、実際言語化するところにつまづいている、という場合もあるかもしれません。

そんな時は転職エージェントに聞いてみましょう。

日頃から多くの転職者の応募動機を見ている方々に、プロの目線でアドバイスしてもらいましょう。

「薬剤師から○○のポジションに応募する方はどんな応募動機を書いていますか?」のように質問してみるのもOK!特に薬剤師専門エージェントであればそのような情報にも詳しいはずです。

おすすめの薬剤師専門エージェントのリンクを貼っておきます。(転職エージェントの利用は求職者側はお金はかかりません。転職が決まった場合に企業側が転職エージェントにお金を支払うシステムです。)

最後までお読みいただきありがとうございました!

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